ご報告 院内集会「脱原発法の審議を求める集い」
昨日、標記の院内集会を開催しました。おいでくださった市民のみなさま、国会議員のみなさま、ありがとうございました。
当日の報告をいたします。
4月9日(火)15:00~16:00
会 場:参議院議員会館 会議室101号室
130409式次第 (pdfが開きます)
出席:脱原発法制定全国ネットワークより 河合弘之(弁護士)、木村結(脱原発・東電株主運動世話人)、只野靖(弁護士)、海渡雄一(弁護士)、藤本泰成(原水爆禁止日本国民会議事務局長)
国会議員:又市政治(社民党・参議院議員)、玉城デニー(民主党・衆議院議員)、田代郁(民主党・衆議院議員)、小宮山泰子(生活の党・衆議院議員)、小野次郎(みんなの党・参議院議員)、福島瑞穂(社民党・参議院議員)、はたともこ(生活の党・参議院議員)、菅直人(民主党・衆議院議員)
代表世話人の河合弘之あいさつ
ちょうと3月11日に脱原発基本法案を参議院に提出にこぎつけた。本来は、審議・可決をしてもらわなければならない。一番大事なのは、これだけ世論で原発の問題が討論されているにもかかわらず、国会でのまともな議論ができない。正面から原発の是非、国会の場で、法案の審議もされていないのが大きな問題である。私たちは、単に「つるし」ではなく、おろして、国会で真剣に、国民注視の下、討論してほしい。
新聞報道などによると、民主党は2030年代までに期限を区切った脱原発基本法案を提出する動きがある。他方、みんなの党は市場原理に基づく脱原発法案を出す予定である。私たちは仕組みこそ違え、最終的に脱原発をめざすなら構わない、原発推進でなければ、脱原発をめざす法案である限り、調整可能だと思う。だから、私たちが作った法案、民主党の法案、みんなの党の法案をおろし、一致できるところで脱原発を目指す。
一番大事なことは、国家目的として、脱原発を目指す、宣言するということ。未だに原子力基本法には、原子力推進が謳われている。だから、脱原発政策が政権が変わるたび、揺らいでしまう。脱原発によって固定化することが大事。そのためには小異を捨て、真剣な討論をしたい。説明させていただくとともに、みなさんからのそのために意見を賜りたい。
次に、出席国会議員にご発言いただきました。
又市征治議員(社民党・参議院議員)は、国会外のみなさん、引きつづき連携をお願いしたい。社民党としては、全員一致で取り組んでいく。そして、福島では大変な事態が起こり始めている。双葉群からの避難者と、もともといた住民との間で、嫌がらせのような問題が起きている。残念ですが、補償金について間違った宣伝がなされている。現地に行って関係者と話し、このことを安倍さんにも話した。みな被害者なのに、被災者が生き辛い状況になっている。
なおのことこのような動きを国会内外で作っていくことが大事、頑張って行きたい。
玉城デニー議員(民主党・衆議院議員)が参加されていたことを紹介。ご発言の機会を作れず申し訳ありません。
小宮山泰子議員(生活の党・参議院議員)昨日の原子力の特別委員会でも脱原発基本法案については述べ、議事録にも残しました。奇妙なのは、これだけ大きな問題だったのに、選挙の争点にならなかったこと。さまざまな自然エネルギーなど実現するためにこの基本法案を通すことは、一番の近道であり、論理的なことだと思う。同じ思いを持っている議員と、党派を超えて、団結して頑張って行きたい。
田城郁議員(民主党・参議院議員)国会議員としてしっ刈しなければと思うとともに、又市先生から、民主党しっかりしろよと、いう激励を頂いた。参議院では、一応、第一党の民主党ですから、30年代と打ち出しているが、一日でも早くという姿勢を打ち出して、この法案に同調していく姿勢が必要だが、なかなか難しい。
同時に平岡先生の応援ですが、本日配布のチラシにも「力を一つに」と書かれているように、平岡さんは庶民の味方の政治勢力を一つにしなければならないとして出馬される。脱原発に限らず、他の諸課題も同じ。原発推進政策をとる党が政権についてしまった。真剣になって、7月の選挙も力を一つにしていこうと思っている。
小野次郎議員(みんなの党・参議院議員)脱原発基本法には、個々の議員は賛同していますが、みんなの党としても法案の準備をしているので賛成政党とならなかった。
日本国民の大多数は、期限を切って脱原発をすすめることを望んでいる。しかし、政権を取った自公は、ゼロベースなどと述べており、強い違和感を感じている。原発がないとエネルギーが不足するというのは、デマということが分かった。私たちは3・11以降夏冬二回過ごしてきたが、不足しなかった。政府は今年の夏は、節約の要請もしないことになった。結果として、原発が量として不可欠ではないと言うことは経験している。
コストの面で、たしかに原油価格の上昇もある。他方、原発の運転コストについては、不安を解消できるコストは計算できない。原発の運転コストが安いというのは、すでに神話。国民が脱原発を求めている。そうするとやるしかないでしょう。
みんなの党は、市場メカニズムの中に置けば、政府がどうこするまでもなく、原発は終わる、原発依存症の人たちに、早くたち直ってもらいたい。新しい法案は、今月中の提出を目指している。早く議論のテーブルに載せたいので、みなさんからもご意見を頂きたい。
只野靖(脱原発法制定全国ネットワーク事務局次長)今日配布したのは3月19日の東京新聞の記事。この時から何か進んでいるのか。国会議員の先生方に、進めてほしいと改めてご要望したい。河合代表から指摘があったように、原子力基本法がいまだに原子力推進をうたっており、官僚あるいは原子力ムラは、法律に基づいて行政をしている。規制庁の職員が個別の面談などの個別のことにとらわれるのではなく、行政を変えるのは立法府、国会なのですから、脱原発基本法を審議してほしい。もっと言えば、今度の参院選では脱原発法を賛成する候補者が選べる選挙にしてほしい。選挙区調整も含めて、市民の側からはそういう選挙にしてほしいし、そのために私達ができることをやっていくことをお誓いします。
この間の経緯として、1か月で全く進んでいない。早急に、民主党、みんなの党さんに法案を出してもらい、審議に進んでしてほしいことを繰り返し申し上げたい。
(司会の海渡から、民主党内での動きについて質問)
田城議員:結論から言えば進んでいないのが現状。声はかけているが広がりがない。粘り強く他の先生に働きかけることと、脱原発基本法のプロジェクトまではいかないが、部署はあるので、先輩議員に働きかけたい。
海渡より、参院山口補欠選挙(4月11日告示、28日投票)についての紹介。
脱原発法制定全国ネットワークとは別に、平岡秀夫さんを応援する脱原発市民の会が結成された。
今のところ、民主、社民、みどりの風、未来の党が賛同し、超党派で応援している。地元では、応援する人ができたと非常に評判がよい。山口の1地域の問題ではなく、全国への広がりができつつあります。山口には、上関原発計画もある。3・11で一度は見送りになったものが、安倍政権によって、復活しつつある。ぜひ、小さいことには目をつぶって、生活・みんなの党にも賛同してほしい。
藤本泰成(原水爆禁止日本会議事務局長)
法律では、原子力基本法のように原発推進になっている。私たちは命のことを基本にしてきた。原発の問題は生命の問題。私たちは命に寄り添ってきた。平岡さんもその一人です。国民が主役になる新しい国を作っていきたい。
木村結(脱原発・東電株主運動)
「脱原発・東電株主運動」などを通じて、23年間、東電と対峙してきました。先日の他の東電共の会との東電、他の関連役員と共に会議を持ちました。東電は平気でウソをつきます。何の話かと言えば、東電真っ暗闇事件(国会事故調の田中三彦委員が要求した福島第一原発1号機への調査に対して、暗いから入れないとの虚偽によって事故調の調査を妨害した)では担当者個人の責任にしていました。誰が聞いても嘘なわけです。しかし、この23年間東電とやり取りをしてきて、窓口の人間が勝手に判断するようなことは一度たりともなかった。どんな小さなことでも「私の一存では決められない」と持って帰る会社、これが東電の官僚体質です。にもかかわらず、真っ暗闇事件では、担当者が勝手にやったと述べた。官僚、企業、財界が勝手に私たちの命をもてあそぶようなやり方を変えさせなければならない。そのためにも私たちが私たちのための法律を決めていく、私たちが国会議員の方と一緒に決めていく一歩にしなければなりません。これ以上命が脅かされた生活を繰り返してはいけない。どこかで、私たちは、過去に決別していく姿勢が市民の側にも問われていると思います。
福島みずほ(社民党・参議院議員)本日配布の東京新聞記事は私たち“アマゾネス4人組”で3月11日に超党派で提出しました。今日、只野さんから、その後どうなったかと問われ、今日また気合を入れられた。各政党で、年月日が違っても、国会の場での議論を巻き起こしていきたい。たくさんの法律を変えなければならないが、脱原発基本法は基本であるから、頑張りたい。安倍政権は10年かけて、ベストミックスを検討するといっているが、それは、10年間先送りをすると言うことだと批判した。
告示日には応援に行って、平岡さんガンバレという意思表示をしていきたい。
山口県の上関原発は、未だに設置許可すら受けていない。山口県に原発を立てることには、反対。安倍自民党に頑張って一矢報いて、山口県民に働きかけたい。
はたとも子(生活の党・参議院議員)脱原発基本法案成立に向けて、自公の政策合意文書に、「原発依存低減」とあったが、これはゼロを含むのか?と問うたら、茂木大臣の回答は文字通り。公明党は、将来的には原発ゼロを目指すんだと答弁された。中国電力・上関原発について、天然ガスをこえる熱効率65%の高効率石炭火力の研究もあるという。重文は電力はあり、最新型の技術もあるので、当然。上関原発は必要ない。平岡先生への推薦依頼については、来ているのかと思いながら、私自身は一生懸命応援したい。私で良ければ、21日も応援したい。
菅直人(民主党・衆議院議員)今、下関から帰ってきたので、この会合に遅れてしまいました。民主党は、現在の法案そのものに政党として提案者になれていない。しかし、民主党としても、30年代ということで整合性のある法案が出せないかということが脱原発法制定全国ネットワークからの提案だと思うが、これを受け止める議論をしている。枝野さんが座長になって議論をすることになっているが、それを待つと言うことではなく、参議院の中で脱原発法の審議をすすめてもらうことも結構なことだと思う。
平岡さんについて別の側面からお話しします。本日配布した4月21日には、もともと、山口県の山本知事による引き延ばしに対する抗議集会が予定されていた。その中の前の時間をいただいて、朝10時から、平岡さんの応援を兼ねて、脱原発法制定全国ネットワーク主催で会合を持つことになりました。
ちょうどこの前日には、自民党も安倍総理が山口入りをして、温泉で首相再度就任のお祝い、翌日には安倍総理をはじめ衆参議員が集まって、相手候補を応援する企画ときいている。相手候補が(今山口県で配布されているビラにも)全然出ていない。なぜかと言うと、相手候補はたいへん評判悪いらしいので、相手候補のことは言わないで、アベアベアベで行って、最後に引いてみたら元市長(相手方候補)という作戦と聞いている。この選挙で、平岡さんが勝てば、山口だけでなく、安倍政権の原発推進政策に大きな打撃を与えられる。
これは桶狭間の戦い。飯田哲也さんを応援した人たちも動き出している。評判が悪い相手候補に対し、飯田さんが知事選挙で獲得した18万票を超えていくと、勝機が見えてくる。
脱原発法の動きと100%一致していて、方向性もつながる動きだと思いますので、よろしくお願いします。
河合より、最後の挨拶
脱原発ほど、大事な政治問題はない、というのが私たちの認識です。もし、福島第一原発みんながわかったはずなのに、つい2年前のことなのに、みんなが忘れている。なんとかしなければならない。
一週間前に、私と海渡は浪江町、富岡町に行ってきました。田畑が潮にまみれ、自動車がひっくり返っていました。2年間時間が止まっていました。原発震災の現実を身体で感じて帰ってきた。浜岡原発や東海第二原発で、再び過酷事故が起きたら、ここで会議をやっていることもできなくなる。そういう恐ろしさを知ったはず。なぜ、それを具体的な法律の形に結実させないのか。
菅さんの本『東電福島原発事故総理大臣として考えたこと』を読んだが、菅さんには批判もありますが、時の最高権力者が、もしかしたらこの国は亡びるかもしれないと死の縁を覗くようなそれが原発の過酷事故の危険です。政治家こそ、認識してほしい。それを具体的にするのが脱原発基本法制定です。菅さんも近藤俊介も言った「国家滅亡リスク」を賭けることを国会議員がさせてよいのですか。今の情勢が厳しくとも、飽きずに言い続けます。しつこく立法を追及することを最後に申しあげます。
※当日の記録を基に発言の趣旨を事務局でまとめました。詳細はユーストリームをご覧ください。