新もんじゅ訴訟 第6回口頭弁論期日報告
3月8日、新・もんじゅ訴訟原告らと支援者らが東京地裁前に集まった。もんじゅの廃炉は「決まった」ものの、その行方はとても厳しい。もっとも、裁判としては廃炉が決まったことにより、訴えの利益(原告の請求が認められた場合、原告の権利利益が回復可能か)が失われるのではないかという問題がある。
共同代表の中島哲演さんは、廃炉まで5年以上かかることについて、新しく原子力委員会委員長の岡さんでさえ「お金がかかりすぎる」と2月3日の福井新聞が報じたという。同じく共同代表の兼松秀代さんは、廃炉の過程が怖い、実質的にはナトリウムから取り出す作業がいかに危険かを訴え、この裁判を通じて私たちが監視しなければならないと呼びかける。兼松さんの自宅付近は山間であるため、雨が落ちる。もし、もんじゅが事故を起こせばちょうど放射能が降り注ぐホットスポットとなるというのだ。
廃炉までの計画は今年の4月か5月頃に明らかになるという。通常の原発と比べ、もんじゅの廃炉の過程は複雑である。ひきつづき維持費用もかかる。
今回の期日において、政府のもんじゅ廃炉決定を受け,政府の決定した方針の詳細を説明し,原告らが本件訴訟について,どのような方針で望むかについて,原告らの意見を準備書面にまとめた。法廷では弁護団共同代表の海渡雄一弁護士が、今回提出の書面について、口頭で説明した。
裁判所や相手方から訴えの利益がないのではという具体的な指摘はないまま、次回期日が7月10日11:30と指定された。原告側は5月末までに反論書面を提出予定である。
予定の14時15分を少し回って、参議院議員会館で報告集会が開かれた。
共同代表の中島哲演さんは、原発による「受益」と「受苦」の問題を挙げ、この訴訟を福井地裁ではなく、東京地裁で提起した意義に触れ、首都圏の人々に自分たちの問題として関心を持ってほしいと強く呼びかけられた。
3・11東京電力福島第一原発「事件」から7年目に入った。事故の真相究明まで程遠いばかりか、いまだに誰も責任を取っていない。避難解除により被災者は切り捨てられようとしている。そのような中、この国は再稼働に走ろうとしている。
この訴訟を通じて、機構さえも把握していないのではという廃炉への過程をきちんと監視していきたい。
原告ら
被告国
・第3準備書面 原告ら準備書面(6)に対する反論予定
・証拠説明書(4)乙A2~乙A6,証拠説明書(5)(乙D7~9)
参加人機構
・準備書面(3) 原告ら準備書面(5)への反論等
・証拠説明書丙D10の2,丙D49,丙D50
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