佐賀地裁、玄海原発差止仮処分申請を却下
本日、佐賀地方裁判所(立川毅裁判長、不破大輔裁判官、神本博雅裁判官)は玄海原発3・4号機再稼働差止を求める仮処分申立を却下しました。福島第一原発事故の被害に真摯に向き合うことなく、九州電力の主張を安易に追随した、極めて不当なものであると言わざるを得ません。新規制基準は合理的なものだと安易に決めつけ、九電の疎明は尽くされたとした上で、住民側の主張は合理性がないなどと切り捨てています。例えば、入倉三宅式のばらつきを考慮すべきとの住民側の主張に対しては、経験式を事実上修正するものだと決めつけ、合理性がないなどと判断しています。本日の報告、決定、声明文は「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」に掲載されています。
全国の原発差止め訴訟等を通じて、日本の新規制基準が”世界最高水準”どころか、遠く及ばないことが明らかになっています。また、福島第一原発事故の教訓を踏まえているか、国際基準を十分に取り入れているかという点でも、手続き過程、内容にも重大な瑕疵、欠陥があります。
玄海原発の再稼働に山口祥義佐賀県知事は同意しましたが、事故時の防災計画の作成義務を負う30キロ圏8市町のうち、県内の伊万里市、県外壱岐市、平戸市、松浦市が反対しています。本決定に対しては、不服申し立てを予定しています。また、玄海原発に対しては、他に民事の本訴が2件、行政訴訟、別の仮処分申請もなされており、闘いは続きます。
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