発売中の週刊金曜日 6月の原発裁判

2018/05/28

発売中の週刊金曜日に6月の原発差止裁判の口頭弁論期日が掲載されました。金曜日の公式サイトにも掲載されています。

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よろしくお願いいたします。


 5月24日は、四国電力伊方原発運転差止仮処分の第12回審尋期日でした。2016年6月に申立てたこの事件ですが、この日で審尋は終了。住民側代理人は裁判所に対して、最後の口頭でのプレゼンを行いました。

第3次提訴訴状を手に、入廷する原告ら。

 司法判断に関して、福島第一原発事故の損害賠償請求に関する本年3月15日の京都地裁判決では、「原子力発電所の安全性については、放射性物質の持つ特殊な性質からすると、極めて高い安全性が求められるというべきである」(65頁)と認定しているのに対して、事前の差止め請求においては、福島第一原発事故のような重大事故が二度と起きないような高度な安全性を求めるという原告の主張を排除する判断をするという、裁判所は二枚舌ではないかと批判しました。また、四国電力が提出した、3月7日の原子力規制庁の「原子力発電所の火山影響評価ガイドにおける『設計対応不可能な火山事象の評価』に関する基本的な考え方」は、数万年に1回の規模の火山は無視しうるなどというもので、これは国際基準からも著しく乖離し、活断層では数万年前のものを考慮しなくてはならないとされている事とも矛盾すること等述べました。また、このたび提出した京都大学名誉教授の芦田譲の意見書にもとづいて四電は原発の敷地及び敷地周辺の地下構造調査の三次元探査をしていないとの主張をしました。

期日後の記者会見(アートプラザ)

 期日後の記者会見では、普通の石油プラントでは常識的に行う三次元探査に関し、四電が行っていないのは、費用を惜しんでいるのか、都合が悪いからかのどちらかとしか考えられず、問題であると指摘されました。また、伊方原発に関しては現在4つの裁判所において係争中ですが、(実際はやっていない)三次元探査を行っていると四電が主張したのはこの大分地裁だけであること、引き続き本訴でもこの争点について主張し、芦田教授の証人尋問なども目処にいれたいという話が出ました。
同日に本訴では、新たに136名の大分県民が第3次提訴し、本訴の原告は524名に広がりました。大分地裁に係る民事事件での史上最大の原告数です。口頭弁論期日の意見陳述において、原告の小坂さんは、冒頭に故・松下竜一さんの「暗闇の思想」を紹介しました。ご自身の再生可能エネルギーのNPO立ち上げに至る経験を語り、福島第一原発事故以降、電力自由化によって、電力会社の公共性、原子力発電所の必要性はなくなっていることを強く訴えました。
 仮処分に関して、裁判所は9月中に決定を出す(決定書の交付日の1週間前に裁判所から代理人に連絡がある)としました。原発事故の被害の実態について向き合い、住民らの主張に耳を傾けて、判断してほしいと住民側代理人が述べました。
 記者会見を兼ねた報告集会では、記者の質疑応答の後、原告や支援者からも熱心な質問が続きました。
 大分地裁の判断にご注目ください。

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