自然からの警告を謙虚に受け止め、川内原発を停止し、伊方原発の再稼働を認めないことを求める声明
本日、以下のの文章について、原子力規制委員会、九州電力、四国電力に対して申し入れを行い、記者会見でその旨ご報告しました。
今回の九州地方の地震によって亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げると共に、被災された皆さんに、一刻も早く日常生活を取り戻すことができるよう、お見舞い申し上げます。
私たちは、平成23年東北地方太平洋沖地震によって東京電力福島第一原発事故を発生させたことについての反省のもと、地震や火山噴火という自然災害によって、万が一にも原子力災害を発生させてはならないという観点から、今回の九州地方の地震の周辺地域に立地している九州電力川内原発及び四国電力伊方原発の安全性について強い危惧を有しており、とりわけ運転中である九州電力川内原発の速やかな停止を求めるものです。
4月14日にマグニチュード6.5、4月16日にはマグニチュード7.3の地震が熊本地方を襲い、強い揺れが続いている。一連の地震は終わっておらず、今後さらに大きな地震活動の可能性も否定できないという観点を対策の基本に据えなければならない。防災科学研究所が運用するKiK-net益城(KMMH16)ポイントでは、地表の最大加速度は4月14日には1580ガル、16日には1362ガルを記録した(いずれも三成分合成値)。さらに、16日には小規模ではあるが、阿蘇山の噴火も始まった。
気象庁は、熊本県での地震活動の範囲がこれまでよりも南西側に広がっているという見解を示し、引き続き、広い範囲で強い揺れに警戒するよう呼びかけており、17日の記者会見では、「いつ、どのような規模の地震が起きるのか、という正確な予測はできないが、地震活動が高まっていると考えられる。これまでの地震で強い揺れを観測しているところもあり引き続き強い揺れに警戒して欲しい」としている。
このような状況において、日奈久断層帯を南西方向に延長した地域に位置する川内原発の稼働を継続することに対する社会的な不安は高まっている。
また、4月16日以降、余震は、地溝帯の阿蘇、大分方向にまで伸びている。これらは、中央構造線の断層帯の活動であり、1596年9月1日、大分県湯布院から愛媛県西条市まで160㎞にわたり中央構造線が活動した慶長豊予地震が発生した実績があることから、伊方原発直近の中央構造線の断層が大きな地震を起こす恐れがある。
都司嘉宣元東大地震研究所教授は、「中央構造線の一部が動いたと見ていい。」「豊後水道を震源とする比較的大きな地震が起きる可能性もある。四国地方も含めて警戒が必要だ」とコメントしている(2016年4月17日毎日新聞)。林愛明京都大学教授は、「今回ずれた断層の延長線上にひずみがたまり、大分県側でM7級の地震が起きることも否定できない。四国側の中央構造線が動く可能性もある。」とコメントしている(2016年4月17日朝日新聞)。
大分から日向灘を挟んだ四国側には伊方原発が位置し、今夏にも再稼働が予定されているが、伊方原発を強震動が襲う可能性が増しているということである。
今回の九州地方において連続する地震は、すでに多くの命を奪い、生活・財産の破壊を招いているが、さらに地震が拡大するおそれは十分にあり、また、一連の地震活動が火山活動につながる可能性も否定できない。
既に地震によって新幹線や道路網が傷つけられており、もし原発事故が起きた場合、その避難にも重大な支障が生じている。この上、突然の震災で大変な苦境にある被災者に対して、原発事故による放射能の追い打ちをかけるようなことは、万が一にもあってはならない。
私たちは、政府と原子力規制委員会に対して、地震・火山による災害を原発事故災害に拡大させないために、少なくとも今回の地震活動がおさまるまでは川内原発を停止させ、伊方原発の再稼働を認めないことを強く求める。
平成28年4月19日
脱原発弁護団全国連絡会
共同代表 弁護士 河合 弘之
弁護士 海渡 雄一
「原発なくそう!九州川内訴訟」弁護団
共同代表 弁護士 森 雅美
弁護士 板井 優
弁護士 後藤 好成
伊方原発をとめる弁護団
団長 弁護士 薦田伸夫
伊方原発差止訴訟広島弁護団
団長 弁護士 胡田 敢
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